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琵琶湖
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春風の花の吹雪に埋まれてゆきもやられぬ志賀の山路
■「西行」の歌にこんなものがある。
西行の桜の歌のなかでは、格別優れたものではないかも知れない。
京都から大津へ、あるいはその反対を、西行は何度か旅をしていたようだ。
京都から近江に入るには、いくつかの路があるという。
私は暗くなった吉野から北上し、もう一度奈良市内へ向かった。奈良でもう一泊し、それからどうすべきか考えようと思ったのだ。
だが、旅の流れは不思議なもので、そのままバイパスと高速に乗ってしまう。
何時の間にか私は、京都市内についていた。
■ それから宿を取るには遅すぎる。
京都市内で食事を取り、もう一度高速に乗る。琵琶湖はそう遠くはないのだが、その辺りで迷い、名神に出てしまう。NAVIがついていないとこういうときには不便だ。けれども、床までアクセルを踏んでも、坂道でずるずると速度の落ちてゆく小型車で、深夜、湖へ向かおうとするのはそう悪いものでもなかった。20年も前だと、これを単車でしていたことになる。
私は、琵琶湖に浮かぶ鳥居を撮りたかった。そういった神社が、琵琶湖界隈、湖西にあると聞いていたのである。
一度高速を降り、元に戻り、降りるべきインターを捜す。
そうこうしていると、また雨が降ってきた。
2002_12_14
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