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●ご注意
このページは製作過
程のイメージをあらわ
すものです。

実際の「YOL関西」は
こちらです。

■「関西発」その表現戦略

 今回の演題は、「関西発ブランドリニューアル試論」と題されています。
 畏れおおいことではありますが、これを簡単にシュミレーションしてみます。
 始めに、前の演題で述べた一定の分析を行わねばならない。
 より具体的に申し上げますと、原則的には以下の5点。
1:ターゲット
 自社ブランドの顧客は誰なのかを想定する。
2:イメージ
 自社ブランドはどんなイメージを形成しているのか。
3:知覚ポジショニング
 自社ブランドの品質はターゲットの知覚の中でどこに位置付けられているか。
4:ロイヤリティ
 自社ブランドがターゲットにどんな便益を約束することで支持されているか。
5:コミットメント
 自社ブランドとターゲットとの絆はどの程度か。

 以上の5点について問題がないかチェックするということです。
 この場合大事なことは、できうる限り余所者の視点で眺めるということでした。
 また、実際の新聞紙面とWeb上で行っている展開との相互関係という、非常に 厄介な問題もあります。
 いずれにしても、IT社会における新聞社の位置付けを、経営的側面も含め有機 的に考察してゆきます。
 その上で、Web上の「関西発」は、「こうしたい、こうならねばならない」と いう一定の決断がなされたと仮定します。

■情報の再構築- Webデザイン-

 始めにお断りしなければならないのは、Webのページのデザインと、Webデザ インとは異なるということです。
 前者は、一枚もの。例えば「列島いにしえ探訪」のようなものです。
http://osaka.yomiuri.co.jp/kodai/index.htm
 文化的要因が高いから、あのような表紙デザインとなったということもあり ますけれども、従来蓄積されてきたコンテンツの、ある種普遍的なシンボルと して機能しなければならないという側面もありました。

 これに対し「関西発ブランドリニューアル」というのは、更に総合的・構造 的なものになります。つまり、ブランドの再構築です。
 ニュースを含めた、様々なコンテンツをいかに読者、顧客に届けるか。
 機能を前提として、どのような付加価値をつけてゆくのか。
 付加価値とはこの場合、体験や経験であり、そこから導かれる情緒的な感動 です。感動をデザインする。
 その意味でWebデザインとは、情報の再構築・編集と、その視覚化を意味し ています。様々な情報を有機的に組み立ててゆこうとすること。
 しかも、そこにある種の物語性をも含ませること。そのナビゲーション。
 新聞社が有する膨大な取材網、ネットワーク。ノウハウ。
 長年培ってきた信頼。
 これらを、IT社会においてどのように評価し活かしてゆくのか。
 ブランドを再構築するということは、ほぼ新しいビジネスモデルを作ってゆ くことにも似ているのかも知れません。



○ ここでややわき道に逸れますが、情報サービスの有料化はとても難しいも のだと言われています。ですが、最終的には極めて安価な対価であっても、そ うならざるを得ないだろうという声も聞かれます。課金方法など、クリアすべ き問題は多いですけれども。
 ニュースなどを含めたコンテンツサイトが利潤を得るにはどうするか。
 その際、「バージョニング戦略」という考え方が提唱されています。
 仔細は省きますが、つまり、情報を差別化することで、より密度の高いそれ に対価を支払ってもらおうとする考え方です。情報へのアクセスに段階を踏ん でいただく。内容それ自体に差をつけてゆく。
(ハーバード・ビジネス・レビュー・ブック「ITマーケティング」「顧客価値 をとらえるバージョニング戦略」カール・シャピロ&ハル・R・バリアン:ダ イアモンド社:210頁:2001年3月)
 電子新聞というものも、大きくはその文脈の中で捉えられるものでしょう。
 いずれにしても、情報財に対価を支払うという空気や習慣をネット上で構築 してゆくことが求められている訳でして、その意味では情報の質が問われてい るということにも繋がってゆきます。
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読売新聞大阪本社

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