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実際の「YOL関西」は
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■2:現在の「関西発」の問題点(20分)



■時代の気配

 ええ、いよいよ本題というか、問題発言に移ります。
 阪神戦の後ならタダでは帰れないところ(北澤しきりにウーロン茶を飲む)。

 一般に関西に軸を置く企業は宣伝がたくみだと言われます。
 つまり、技術中心主義というよりも市場中心主義。
 うなぎを食べたくなるのは、成分がどうなっていてカロリーがこうでという 理屈ではなく、パタパタとあおがれ、こちらに忍び寄ってくるカバヤキの香り からであります。
 感情に訴えること。
 これはどんな商売でも、普遍的な事実だと思うんですね。
 要は、理屈じゃないと。

 サントリーの宣伝部には、大阪出身の開高健(たけし)さんがおられました。
 開高さんが、ある広告関係の本で概要こんなことを書かれています。

「優れたコピーライターというのは、フォアグラなど山海の珍味、ごちそうの 味を、具体的に想像できないといけない。
 と同時に、満員電車の中で思わず漏れてしまったタクワンの匂いのする空気 も、同じ平面で想像できないとならない。しかもありありと」

 問題は、この「同じ平面で」というところでして、要は人間のイトナミとい うものは、表向き格好をつけていてもそう変わらしまへん、というしたたかな 認識であります。
 開高さんは、別の言い方でそれを「時代性」と表現しています。
 時代の空気、波長、気配のようなもの。つまりは生活感情。
 それを敏感に察知し、独善的にならず現実に顕したものが、広く一般の方々 からの支持を得る。これは当たり前のことかも知れません。

「あれができる、これができる」と商品の特徴を並べているのは、黎明期によ く見られる構造です。
 ITが始まったばかりの頃、そういった声は随分とありました。
 だがよく見てみると、ええかっこうしいと言いますか、青臭い。
 つまり、大阪弁でいうところの「アホくさ」は、「青臭い」に通じるところ があるようにも思えます。
 もの、あるいは単に情報を並べるのではなく、それを一旦加工し編集する。 「品物がいいかて、売れなあかん」
 売れるということは、読者の胸に落ちるといいますか、ああよかったなあ、 ええもんみせてもろうた、というようなある種の満足感だと思います。
 平たく言えば、「なんか得した」という。
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