「緑色の坂の道」vol.7046

 
    花灯り。
 
 
 
■ 桜の頃、街はなんとなく浮ついていて埃っぽい。
 満開かと思えば雨が降り、風になって、一旦お預けをくらう。
 翌日、待ちかねたように人が出て、一眼のレンズを向けている男性が何人もいる。最近は妙齢もである。
 私は恥ずかしくて撮れないでいた。何故なのか分からない。
 

「緑色の坂の道」vol.7045

 
    エストニアの花。
 
 
 
■ しばらく前、旧い車の部品が届いた。
 なんのせいか、エストニアからである。これはどこにあるのかと地図を眺めると、あらま、バルト海に面した界隈である。
 ゲッツの「ディア・オールド・ストックホルム」が海の反対側にあった。
 プーシキンという地名も見えたりする。そういう名前の詩人がいたような記憶もあるが、どっとはらい。
 

「緑色の坂の道」vol.7044

 
    風の花。
 
 
 
■ 坂道を昇っていくとき、一旦停止する。
 一本の桜があって、背後は緑の樹木である。
 風がやや強く、数秒の間に花弁が横殴りに散っていく。
 空は青く、この部分だけを切り取れば、場合によっては作品になるのかも知れない。
 自転車と杖をついた男性に先に行ってもらい、ゆっくりと車を出した。
 

「緑色の坂の道」vol.7043

 
    花の日。
 
 
 
■ まだかまだかと急くように日が過ぎて、いざ開いたとなると気持が離れる。
 何時まで保つのか、散り方はどうか。
 何時だったか、しばらく前のベストセラー「硫黄島の星条旗」を読んでいた。イーストウッド監督によって映画化された作品である。
 沖縄の首里攻防戦を描いた「沖縄シュガーローフの戦い 米海兵隊地獄の7日間」と並んで、戦闘シーンが非常に具体的なことが特徴だった。
 腕が飛ぶ、銃弾で顎から先がなくなる。埋葬の仕方。
 

「緑色の坂の道」vol.7042

 
    Bohemia After Dark 4.
 
 
 
■ こんなことをやっている場合ではないのだが、車のヒューズを替えた。
 一部ではなく全部である。
 前にも一回やったのだが、あれから何年も経っているし、別の小型車たちのこともあるからとまとめて注文したのである。ボッシュもいいが、ここは安定の国産品を選んでいる。注文に数日、交換に五分。
 

「緑色の坂の道」vol.7040

 
    Bohemia After Dark 2.
 
 
 
■ どの世界でもそうなのだが、舞台裏というのはなかなかえげつない。
 車の周辺もそうで、何度もこれはと思うようなことがあった。
 雑誌に広告が載っているようなところが名人かというとそうでもなかったり、OEMを使っていてもそのメーカーが答えられなかったり。
 一般に職人というのは純朴で気質があると美化されてもいるが、ではなぜ監督が要るのかというと、近いところにいる方々なら頷くところもあるだろう。
 

「緑色の坂の道」vol.7039

 
    Bohemia After Dark.
 
 
 
■ 昔、オスラムのマップ・ライトを独車につけていた。
 確か COPILOT という名前である。シガーライターから取り出す形式のもので、ハロゲンの灯りだった。車が変わっても暫くは使っていたが、とうとうスィッチの辺りが調節しても上手くいかなくなり、何時の間にか散逸してしまっている。
 中途半端に古く思える時期というのは確かにあるもので、それを過ぎるとネオクラシックとしてもう一度欲しくなったりする。だがたいていの場合、その時は絶版だ。
 

「緑色の坂の道」vol.7038

 
    Madreselva.
 
 
 
■ なんのせいか、パーツを海外から取り寄せることになった。
 以前、964のRSに乗っている人が言ってたが、車のパーツの価格はこのところどんどん上がっていて、数年前にまだ在庫があると言っていたものがとっくにない。あってもプレミアがついている。
 芝浦のディーラーで調べてもらってもそれは同じで、私の車より新しい形式であっても続々と廃番になっているという。内装や特殊な部品はまず駄目ですね。
 はぁ、左様ですか。
 

「緑色の坂の道」vol.7037

 
    傾く枝。
 
 
 
■ 緑色のジンジャエールが好きで、それにジンを垂らせば最高である。
 そうもいかないので、そのままちびちび嘗めている。
 一度に飲める訳もなく、だいたい次の日辺りになるといい頃合いに炭酸が飛んでいって好みの味になっていく。
 初めから弱い刺激のものにすればいいじゃないかとも思うのだが、威勢のいい若い衆が成熟して枯れていく様にも似て、味の変化が面白い。老化ともいえるが。