「緑色の坂の道」vol.7007

 
    春雷。
 
 
 
■ 海の向こうで稲妻が光っている。
 そうなのだろうと思われる。
 横風が強く、高速では制限速度より控えめにしていた。足立ナンバーのトラックが先を急ぐ。それぞれ事情もあるのだろう。
 岩波文庫に「白鯨」があって、それを斜め読みしていた。例のエイハブ船長が出てくるものである。訳もこなれていて、今でも違和感は少ない。
 挿絵の鯨の絵が非常に見事で、スキャンでもしておこうかという気にもなるが、これを参考にどう形にしていいのか分からないのでやめにした。
 

「緑色の坂の道」vol.7005

 
    凍鶴。
 
 
 
■ 長い冬が終わろうとしているのか。
 風花のようなものが舞って、やはり底冷えがした。
 この冬はウールのオーバーを一度も着なかった。黒ではなくてグレーの、ハーフサイズのものである。これに手袋をしてマフラーを巻き、時々手袋を落としてくるのが厳寒期の常だったのだが、幸いにして拾いにいかないで済んでいる。
 代わりにBARACUTAのG4を下に、寒い時には薄いゴアか何かのジャケットを重ね着していた。
 

「緑色の坂の道」vol.7004

 
    12月の花束。
 
 
 
■ あまり深刻に酒を飲みにいかなかった。
 東京を暫く離れ、戻ってくるとなにものかに追われ、銀杏の枯葉が舞う外苑西通りをいったりきたりしていた。
 毎年のことだが、透けていくように空が広くなるのが分かる。
 

「緑色の坂の道」vol.7003

 
    夜の陸橋の下。
 
 
 
■ 東京の外周部にいて信号で停まった。
 上は高速である。
 水銀灯のコントラストの中に、男の影のようなものが見えた。
 

「緑色の坂の道」vol.7002

 
    11月の薔薇。
 
 
 
■ ダーク・ラムとウールの靴下。
 パルタのNo.4を二口ばかり。
 入れすぎた紅茶の色のようで、目尻に皺があった。
 

「緑色の坂の道」vol.7001

 
    曲がる柳。
 
 
 
■ アトリエというか仕事場の棚の傍に、適当な備前を置いて枝を入れてある。
 近くの花屋にあった柳のひとつだそうだ。
 放っておいたら枝から青い芽が出てきていた。雲のように曲がる。
 

「緑色の坂の道」vol.7000

 
    みんな歌いながら通り過ぎる。
 
 
 
■ 銀杏の実が落ちる音がぱらぱらっと聞こえる。
 風が吹いているのだ。
 24時間のディスカウントでは、夜だけの濃い化粧をしたレジ係が、赤い髪留めをしていた。
 受け口の睫が長い。
 

「緑色の坂の道」vol.6999

 
    スポルティーフな野郎ども。
 
 
 
■ チープなランドナーなりスポルティーフが気になっていた。
 それでどこを走るのかは決めていない。
 そう思ってネットを眺めていると、サンダル履きでランドナーに跨って近場のラーメン屋などに出向いている方がおられる。
 妙に写真の腕もいいので暫く読んでいると、DTPのことが出てきて、ああこれは編集関係の仕事をされている方だと推測した。
 

「緑色の坂の道」vol.6998

 
    午後のランプ。
 
 
 
■ 外苑西に面したところで短い打合せがあった。
 私はミントのチョコを100グラム買い、帰り際に渡した。
 外へ出ると小雨である。
 新しい靴をおろそうかと思う。