「緑色の坂の道」vol.6968

 
    曇った黄色のサーブ。
 
 
 
■ 絶壁の次の辺りのサーブというのは、どこかホモ・セクシュアルな匂いが隠されている。
 そんな偏見を抱いていた。
 誰にも理解されない。そのことを少しばかりは誇りにもおもう。だけど時にはさびしいんだ。
 そんな気分が造形になって、それから動くのである。
 

「緑色の坂の道」vol.6967

 
    Anything Goes.
 
 
 
■ カメラを手に入れたのだが、そのままにしてある。
 普段の撮影には使わないから、ということもなく、今はそういったモードではないからだと思っている。
「1958 MILES」というアルバムがあって、確かあれもモード奏法だった。
 LPで求め、磨り減った針で聴いていた。
 

「緑色の坂の道」vol.6966

 
    Cleopatra's Dream
 
 
 
■ すこし寒いくらいの、弱い風のある夜。
 上着を羽織ろうか、と迷う頃合、黒いサーブの方と立ち話した。
 海の近くの駐車場で、その方も一人だった。
 

「緑色の坂の道」vol.6965

 
    川沿いロスト。
 
 
 
■ Aは、最も古いものに何年か前、乗ったことがある。
 これで首都高を走ると、案外に骨格がしっかりしているのが分かって、足にするには捨てたもんじゃないなと思った記憶がある。
 車というのは、骨格なんじゃないか。
 あるいは無理のある設計をどうにかしてやろうという偏屈な意地である。
 骨格とはなんぞや、という話になると、その道の人間ではないので割愛。
 

「緑色の坂の道」vol.6964

 
    飾りのついた四輪馬車。
 
 
 
■ いつぞや、新型のメルセデスのAに暫く乗っていた。
 素のタイプにあれこれOPがついたものらしい。
 走行1000kmちょっとのほぼ新車である。
 これで500kmほどを走ったことになるのか、終いにはややうんざりした気分でガソリンだけを入れていた。
 

「緑色の坂の道」vol.6963

 
    モッタイナイ。
 
 
 
■ 吉行さんだったか山口さんだったか、お洒落について書かれていた。
 靴を一足、ほとんどはき潰す。
 もう駄目だなと判断した頃合に靴屋にいって、似たようなものを選んで古いものを捨ててくる。
 そういうのが一番いいんじゃないか、というお話だったように覚えている。
 

「緑色の坂の道」vol.6962

 
    人生は舞台裏。
 
 
 
■ 作っているのはルーマニアの工場である(ホンキにしないように)。
 しばらく前、服飾関係の仕事の周辺にいたことがあって、その辺りの構造は少しだけ知っていた。
 ルーマニアが何処にあるのか、指させと言われても困るのだが、多分BMWのE46の20万キロ超えが、薄い雨の中、かなりの速度で飛ばしている角の辺りから出てきたのだろう。
 

「緑色の坂の道」vol.6961

 
    そこにあるもの。
 
 
 
■ 道具は、定番とされているものがいいと思う。
 車の工具でも、文房具でも、例えばコーヒーのカップもである。
 私は白いそれを使っているが、何処で買ったのかいくつあるのか覚えていない。
 なんとなく必要になったような気がすると、終戦直後に進駐軍がダンスホールにしていたというデパートに行って買ってくるのだった。
 

「緑色の坂の道」vol.6960  

 
    冷めたコーヒーの話。
 
 
 
■ 億劫なので、コーヒーを入れる道具がとりあえずある。
 最も簡単で、可もなく不可もなく。それでいて、急いで淹れたドリップよりは味が安定しているような気もするので、ここ10年ほど使っていた。
 昔からある定番のかたちで、発売されてから20年は経っているのではなかろうか。
 

「緑色の坂の道」vol.6959

 
    桜のころ。
 
 
 
■ 三月のあいだ、すこしだけ桜を待つ。
 いざ咲き始めると、窓を開けるのが嫌になる。
 大体が忙しく、そうと言ってばかりもいられないのだった。