「緑色の坂の道」vol.6963

 
    モッタイナイ。
 
 
 
■ 吉行さんだったか山口さんだったか、お洒落について書かれていた。
 靴を一足、ほとんどはき潰す。
 もう駄目だなと判断した頃合に靴屋にいって、似たようなものを選んで古いものを捨ててくる。
 そういうのが一番いいんじゃないか、というお話だったように覚えている。
 

「緑色の坂の道」vol.6962

 
    人生は舞台裏。
 
 
 
■ 作っているのはルーマニアの工場である(ホンキにしないように)。
 しばらく前、服飾関係の仕事の周辺にいたことがあって、その辺りの構造は少しだけ知っていた。
 ルーマニアが何処にあるのか、指させと言われても困るのだが、多分BMWのE46の20万キロ超えが、薄い雨の中、かなりの速度で飛ばしている角の辺りから出てきたのだろう。
 

「緑色の坂の道」vol.6961

 
    そこにあるもの。
 
 
 
■ 道具は、定番とされているものがいいと思う。
 車の工具でも、文房具でも、例えばコーヒーのカップもである。
 私は白いそれを使っているが、何処で買ったのかいくつあるのか覚えていない。
 なんとなく必要になったような気がすると、終戦直後に進駐軍がダンスホールにしていたというデパートに行って買ってくるのだった。
 

「緑色の坂の道」vol.6960  

 
    冷めたコーヒーの話。
 
 
 
■ 億劫なので、コーヒーを入れる道具がとりあえずある。
 最も簡単で、可もなく不可もなく。それでいて、急いで淹れたドリップよりは味が安定しているような気もするので、ここ10年ほど使っていた。
 昔からある定番のかたちで、発売されてから20年は経っているのではなかろうか。
 

「緑色の坂の道」vol.6959

 
    桜のころ。
 
 
 
■ 三月のあいだ、すこしだけ桜を待つ。
 いざ咲き始めると、窓を開けるのが嫌になる。
 大体が忙しく、そうと言ってばかりもいられないのだった。
 

「緑色の坂の道」vol.6958

 
    ぬるいギネス。
 
 
 
■ しばらく安いワインを飲んでいた。
 参加じゃね、酸化防止剤の入ってないとうたってあるものである。
 ワインを飲むと、随分と昔、六本木の安いイタリア料理の店にお馬鹿なカメラマンが集まり、合計で一ダース近く空けたことを思い出す。
 つまみにチーズと竹輪くれ、と騒いでいたものだった。
 

「緑色の坂の道」vol.6957

 
    石鹸と靴下。
 
 
 
■ どこで買ったのか忘れたが、この冬は靴下三足で過ごした。
 ウールの入った、確か日本製である。
 銀座の酒場が集まった界隈に、とても高くて履き心地のいい靴下を売っている店があって、20代の頃、爪先だって一足を求めた。
 しばらく昼飯が何だったのか、はっきりとは覚えていない。
 

「緑色の坂の道」vol.6956

 
    地元どこ。
 
 
 
■ いきつけというかなんというか。
 よく使っている服のブランドがあったとする。
 単にチェーンの展開という意味なのだけれども。
 勧められたり辞退したり、不即不離の会話があって、河童は珍しいのか二度目くらいで顔を覚えられてしまう。
 

「緑色の坂の道」vol.6955

    美人の地域性。
 
 
 
■ なんともいえないところではあるが、そういうものはあると思っている。
 写真家の木村さんの代表作、と言っていいのか、秋田のそれについては昔坂に何度か書いた。
 あの作品は、眼を省いたところで成り立っているのだった。
 

「緑色の坂の道」vol.6954

 
    河童保険。
 
 
 
■ おまえは不良のくせにさ、根が小心なんだよ。
 と、随分と前に言われたことがある。
 その時はやや頭に来たのだが、振り返ってみればその通りで、片足をいつもどこかに掛けていたような覚えがあった。