Commentarii de Bello Gallico.
 
 
 
■ 戦争に関する本を続けて読んでいた。
「Bringing Mulligan Home: The Other Side of the Good War」邦題:日本兵を殺した父:デール・マハリッジ著:藤井留美訳:原書房刊
「Thank You for Your Service」邦題:帰還兵はなぜ自殺するのか:デイヴィット・フィンケル著:古谷美登里訳:亜紀書房刊
「The Good Soldiers」邦題:兵士は戦場で何を見たのか:デイヴィット・フィンケル著:古谷美登里訳:亜紀書房刊
「アメリカと戦争 意図せざる結果の歴史」ケネス・J・ヘイガン/イアン・J・ビッカートン著:高田馨里訳:大月書店刊
「ネイビー・シールズ最強の狙撃手」クリス・カイル著:大槻敦子訳:原書房刊
 この他にも何冊かあるが、写していて疲れたのでやめにする。
 

 
■ どんなことをしても遺体を回収しようとするのは何故か。復員兵、帰還兵が精神を病み、ホームレスになっていくのはどうしてか。相手を殺したり仲間が負傷した場面をこと細かく描写する傾向があるのは何ゆえか。
 南北戦争の意味。その戦死者数。
 まだ分からないことは多いのだけれども、この間から手元に石川達三の「生きている兵隊」があって、姑娘の胸にナイフを突き刺した場面で頁を閉じている。
 風薫る皐月とされているが、沖縄戦当時、今頃はじりじりと後退していっている最中で、正式に降伏したのは九月に入ってからだと知った。大和はとうに沈んでいる。
 
 
 
■ この緑坂は書評と呼ばれるようなものではない。個々の本の感想を書く気もない。
 古い岩波のカバーが散逸したものの中に「ガリア戦記」があって、誰の訳だったか忘れたが端的な名文だった。半ば散文詩であるかのように膨大な兵士の死が記録されている。