花灯り。
■ 桜の頃、街はなんとなく浮ついていて埃っぽい。
満開かと思えば雨が降り、風になって、一旦お預けをくらう。
翌日、待ちかねたように人が出て、一眼のレンズを向けている男性が何人もいる。最近は妙齢もである。
私は恥ずかしくて撮れないでいた。何故なのか分からない。
■ 霞町の交差点近くにある窓に、和紙でできているペンダントが下がっていた。
店なのかそうでないのか、灯りがついている。中に人気はない。
白熱灯の光が私は好きだが、ある作家もそんなことを書いていた。芸者や花魁の化粧を蛍光灯の白い光の下で見るものではない。大変なことになるだろうと。
実に大変なことになるのだが、夜になると照らされる花の味気無さを思い出していた。 少し光が強すぎないか。色はどうか。
提灯行列というのも嫌なものだが、LEDばかりというのも退屈なのである。