風の花。
■ 坂道を昇っていくとき、一旦停止する。
一本の桜があって、背後は緑の樹木である。
風がやや強く、数秒の間に花弁が横殴りに散っていく。
空は青く、この部分だけを切り取れば、場合によっては作品になるのかも知れない。
自転車と杖をついた男性に先に行ってもらい、ゆっくりと車を出した。
■ この季節になると、沖縄の特攻のことなどぱらぱらと読み返す。
いわゆる大和が突っ込んでいったという負け戦の末期の様相、そんなものが気になって断片的に眺めているのだが、それにしても空が青い。
出先で花を買い、世話になっている自転車の店に差し入れのお菓子を置き、二言三言冗談を言い合ってから戻った。
活けるのを自分でやる。