ほどほど。
 
 
 
■ あるとき、自転車について書かれたサイトを読んでいた。
 非常に参考になる黄昏具合で、適度な価格の質の高い部品を組み合わせ、改造し、遠出や散歩などをされている。
 写真も文章も上手く、読み込んでいくと元は雑誌の編集さんであったらしい。
 もしかするとあの雑誌かなと、いささかマニア受けする乗り物関係のそれを思い浮かべていた。
 

 
■ 彼はまだ独身で、天井から自転車が数台ぶら下がり、立てかけ、その隙間にベットを置いて眠っている。齢は50に手が届くかどうか。
 湯たんぽで低温火傷をおこし、半分足が壊死してしまい、それで遠出はしなくなったとも書いている。この辺りになるとちょっと洒落になっていないのだが、次の年には本格的な熱中症になってしまう。それも困った話で、原因は仕事場のエアコンの不調だった。
 どうしたものか、趣味は身を滅ぼすのだろうか。そうでもないか。
 
 
 
■ 半分以上が心当たりのあることばかりである。
 秋の頃合い、私も自転車に随分と傾いて、やれシングルスピードだのスポルティーフだの、車での搬送の具合辺りを調べまくっていた。高級な空気入れなども買う。
 折り畳みのアレはどうだろう。お城製のものはやっぱりいいんだろうか、買えないけど。
 いい歳をして私は何をしているんだろうと反省し、昼間の厄介に戻るのだけれども、空いた時間にまた夢想が始まる。
 恰好をつけて言えば、どこかで餓えているのだろうが、そこから引き返すにも湿り気が足りない。