春雷。
■ 海の向こうで稲妻が光っている。
そうなのだろうと思われる。
横風が強く、高速では制限速度より控えめにしていた。足立ナンバーのトラックが先を急ぐ。それぞれ事情もあるのだろう。
岩波文庫に「白鯨」があって、それを斜め読みしていた。例のエイハブ船長が出てくるものである。訳もこなれていて、今でも違和感は少ない。
挿絵の鯨の絵が非常に見事で、スキャンでもしておこうかという気にもなるが、これを参考にどう形にしていいのか分からないのでやめにした。
■ この小説は1851年の作であるから、ペリー来航の手前くらいである。
私はなんとなく「大菩薩峠」を思い出したのだが、物語はそれよりも集約されていた。脱線というか、蘊蓄を語るところが面白いような鬱陶しいような。壊れかけたソファに横になって、だらだら眺めるには丁度いいようである。聖書を参考書などにして。
なすすべもなく温泉に長逗留して、こういうものを読んでいたら楽しいだろうか、とも思ったが、そのあとのことを考えるとムゴイので、意味なき現実逃避であった。