瞳の彼 2.
 
 
 
■ M6もカメラバックに入れっぱなしである。
 確かフィルムは抜いたと思うのだが、もしかすると全部使い切ってなかったかも知れない。
 デジタルとアナログ・銀塩では撮影の時の文法が180度違っている。
 商品撮影、舞台、人物その他、仕事で使う時には圧倒的に定評のあるデジタル一式が望ましい。PCやソフトも含めてのカメラである。現像を含めての速度も。
 当然機材は多くなる。
 

 
■ 一方、作品の時というのは、カラーチャートで事前に色を合わせるなんてことは私の場合にはやったことがない。
 別の感性が働くようで、それを摑まえることの方が機材に慣れるよりも難しいような気がしている。
 カメラを持ち出しても、一枚も撮りたくない時というのはままあるものだった。
 どなたかが、年齢と共に好みのレンズの画角が変わってきて、28,35,50mm となっていくとか書かれていた。それ一本で良いのだという。
 わかるような気がするところが怖い。