海のちかくの曇ったラッパ。
■ 最近は横浜まで足を伸ばしてうろうろするということもなくなった。
旨い飯屋がない。
中華街は食べ放題ばかりである。
大体、駐車場が不便なのだ。
■ ブッカー・リトルを意識したのは、30代の頃、下北沢のJazz屋だった。
どうってことのない店だったのだが、それは酒もコーヒーも同じで、灰皿だけが綺麗に磨かれていた。
アンプは何を使っていたのか。スピーカーはタンノイか何かだったと思う。
一時間ほど粘り、ここは女子大生を連れてくるところじゃないなと、独りの週末の夜を負け惜しんだ覚えがある。
■ 名盤と呼ばれるようなものを一通り聴いた後で、音そのものに少し飽き、手を伸ばしてみたら案外にいい。
その程度のものだった。今聴いてもそう思う。
私は湾岸を途中で降り、自販機でコーヒーを買った。
喪中の葉書が何枚か届いていて、どうすべきか、古い友人の顔を思い出していた。