卑怯者の弁 2.
■ お時間のある方は、日本ペンクラブのサイトから全文を印刷して読んでいただきたい。
いくつか疑問なところもない訳ではないが、圧巻である。
どなただったか、男性自身の文庫版の解説を書かれた作家が、
「こんな日本国を、こんな日本人たちを、どうやって、なんのために、命をかけて守る必要があるのだろうか」(山口瞳)
というところで、男泣きに泣いたと告白されていた。その方も今は故人だ。
これは言うまでもなく「反語」である。
寺山修司の短歌を山口さんが「祖国愛」と看過しているようにである。
また、文中にある自由民主党なり田中角栄というのも、それぞれその対極にあるだろうものに置き換え、読んでみる性質のものだろう。
こうした蛇足を書かねばならないところがご時勢で、それもまたうんざりするものだけれども。
■ 前述、山口さんの「、」の位置に注意していただければとおもう。
リズムがあり、力があり、ほとんど詩に近いところもある。
山口さんは稀代のコピー・ライターでもあった。