世間師 3.
 
 
 
■ ニューエイジ憑依とは何か。
 と言えば、ITなどの様々なテクノロジーの推移とそれに伴う精神世界拡大の様相が、あたかもこちらに憑りついたかのようになって、次第に現実感を喪失していく状況を指している(ええ、ホンキにしないように)。
 60年代末からのヒッピー思想・カウンター・カルチャーの流れでもあるのだが、70年代の西海岸を中心とした思想的混迷を超え、80年代に入ってその一部はヤッピーに転じていった。
 その辺りの歴史や分析については、もっと詳しい方がいるのでおまかせしましょう。
 
 
ニューエイジ・精神世界
 
■ という単語で例えば検索をしてみる。
 SEOの順と質は比例しないものだが、辿っていくと面白いサイトがあって、どうも現在50代半ば以降の方が作られたものらしい。
 60年代末に中学生だったという記載があるからだ。
 オーサリング・ツールのVer.15で作成されてもいるので、時期的にはここ数年の間だろうか。
 そこでは神秘主義に流れてからの立花隆さんに対する批判の書が引用されていた。他にもよく調べられており、全体として抑制の効いた論考である。
 
 
 
■ 一方、今現在ニューエイジを表立って謳っている別のサイトやSNSの案内文には、
「従来の価値観から脱却し、学校や勤めなどを離脱し、全く新しい世界観に基づいた自分を捜していく」
 とかいう趣旨の一文が載っていて、成程と思ったものである。
 これはどこかで聞いた台詞である。
 例えばここ暫く流行している「ノマド」というネーミング自体、ニューエイジ的センスなのだった。
 横文字を使い、何か新しい概念であるかのように見せかける。
 テクノロジーと自己変革で、別の世界が開けていくという。
 ここにSNSやブログなど、折々の流行を加味していくのである。