海苔について。
 
 
 
■ 世界との間に、薄い膜のようなものがある。
 と、自覚することがある。
 離人症って奴ですか、そうでもないな。
 わたしはなにをしているんだろう。
 と、片方の眼で眺めている感じとでも言うか、どうせ死ぬんだハゲてもいいやというか。この電動ポットも出が悪くなったな、前立腺だなというか。そういった類のことである。
 口説いたからっていって、あとすることは一緒だ。
 顔が綺麗だとだいたいひろい。
 
 
 
■ そんなことを口にする訳にはいかないのだが、思っている。
 その一部をさしさわりがない範囲で告げると、分かったような顔をして、ここは一生懸命な街ですからねと返事した。