水の祭の雨は白いよ。
 
 
 
■ 芝居の話が続いたので「やや長き間」
 この辺り、万太郎原作「雨空」の真似である。
 
 
 
■ もう10数年も前になるのか、読売新聞社が運営していたYOMINETの文芸で品川神社の祭、北の天王祭を撮影しにいったことがある。
 水の祭であるから、多分6月の頃合いである。
 先の荏原神社の辺りの夜店が賑やかで、そこで撮った写真を元にしたものが
この作品である。

 初稿は確か、97年くらいではなかろうか。
 現在の技術で作り直したいなという気もするのだけれども、それはそれ。
 
 
 
■ この辺の気風だからね。
 と、町会の老人は言っていた。
「みこしこぶ」と呼ばれる大きなこぶを肩に生やした若者というか30前後の男衆がいて、いい体躯をしていた。
 下ろしたての浴衣に帯で、歩いていく壮年の男性もいる。
 ちらりと墨のようなものも見えたりもしたのだが、その辺りは写さない。