窓が曇る湿った夏の夜。
 
 
 
■ 当時のマイルス、例えば「ビッチェズ・ブリュー」とサンタナを聴き比べてみると、基調音は一緒である。
 だがマイルスの方が僅かに難解で、純文学の気配(そこで笑わないように)を薄く引きずっている。
 これ、タンノイやJBLで座って聴くのは勿体無い。
 
 
 
■ 窓が曇るような湿った夏の夜。
 ループ・コイルに注意しながら羽田南トンネルの荒れた路面を下っていくとする。
 隣に口の大きな笑わなければ美人がいて、私はそろそろ40か50肩になろうとしている頃だ。
 
 
 
■ マイルスもサンタナも、横尾さんがLPジャケットのデザインをされていた。
 マイルスの場合は「アガルタ」である。サンタナでいえば「ロータスの伝説」など。
 向こうに仏やキリストや堕天使がいて、中庭に水が惜しみなく注がれている。