濱のマリー。
 
 
 
■ 店を卒業すると、裏方の世界にまわる。
 病院のそれであったり、または旅先でみかける仲居さんの仲間である。
 そこにも派遣というシステムはあって、元の店がどこかということは問われない。
 
 
 
■ 坂の上あたりにあるやや高級と呼ばれるスーパーには、妙齢本格派の駐車場の案内の方がいる。
 背の高い、帽子を被った案内人が誘導する。
 彼女は骨格が綺麗である。
 横顔に薄い澱のようなものがあって、たまに視線が辛くはねていた。