濱のマリー 2.
 
 
 
■ 港の界隈にいた、マリーと呼ばれる娼婦は有名だった。
 白粉を塗って紙袋を抱えた、礼儀正しいご婦人のことである。
 一時、サブカルというか都市伝説のような扱いをされて、つまりは進駐軍や本牧・野毛界隈、路地裏のお話である。 
 
 
 
■ この国は戦争に負けている。
 ようやく一息ついたのが朝鮮戦争からだった。
 1950界隈のハマというのは、多分半分以上が植民地だったのである。