オッカサマが俺を助けてくれるだろう。 
 
 
 
■ 安吾は戦争にいかなかった。
 年齢のこともあったが、それだけではなく、おそらく白洲次郎と類似の構造があったのではないかと個人的には薄く思っている。
 なにをしていたかといえば、ドテラ着て巷に潜っていた。
 もちろん貧乏なのである。
 当時何で食べていたのかは知らず、矢田津世子という流れない水のような瓜実顔の女流小説家に恋をし、当然破れ、それを「吹雪物語」という長編にしたためたものの、出来は悪かった。
 確かに最後まで読めたものではない。 
 
 
 
■ いわゆるこの。
 どろどろの恋愛というのは誰がするものなのだろう。
 妙に精神的になろうとするのはなんのせいか。
 私は男の愚かさ、可愛さだという気がしている。