巡幸と巡礼。 
 
 
 
■ 何時だったか地方都市にいき、古くからあるホテルに泊まった。
 ロビーの奥だったろうか。トロフィーのようなものが並んでいて、なんとはなしに近寄ると、そこには昭和天皇の巡幸の際の写真が飾られている。
 黒塗りの多分キャディか何かが停まっていて、そこから降りられた(慣例で丁寧語を使っている)後の天皇。
 沿道を日の丸を手に持った子どもたちが埋めていた。
 土地の有力者か首長なのか、燕尾服を着た男性が出迎えていて、廻りには警官が立っている。羽織姿の男もいる。
 街道はどうもまだ舗装はされていないようだった。