女たちと赤絨毯。 
 
 
 
■ そのホテルの中華は、妙に味が濃かったような覚えがある。
 金色の手すりがある階段には赤い絨毯がひいてあって、観光誘致のポスターが貼ってある。ここに貼っても仕方ないだろうという疑問は薄く浮ぶのだが、そういうものでもない。
 寝坊して昼過ぎに出て行くと、結婚式なのだろう。車が何台もエントランスに集まっていて、議員の方がこられたと声がかかった。
 ふりむくと、派手な色のスーツを着た女性が車から降り軽く手を挙げた。