東北学。
■ という季刊の雑誌がある。
時々捲っていたのだが、東北の大学が出しているものだからなかなか専門的で、通して読むには一定の教養のようなものが要るようだ。
つまり民俗学や考古学、または社会学といった流れの素養である。
柳田全集をまずは揃えていなければ話にならない、というような世界かも知れない。
■ それはそれとして。
あるジャーナリストが書いていた。
今の日本は明治維新と先の敗戦、それに匹敵する第三の変革期なのだという。
すぐに第三の、とつけるところがあざといのだけれども、明治維新を持ってくる感覚は分からないでもなかった。
例えば中公の日本の歴史。その明治維新を執筆された方は、戊辰戦争というのはほぼ内乱であったということを書かれている。無血革命と言っていいものか、そもそも革命なのか。実際の戦死者の数は後の日清戦争にも匹敵するということを指摘されていた。
会津地方では昭和30年代くらいまで、官軍という呼び方は感情的に激しい反発を招いたと、先の「東北学」の中で書かれている方もおられた。正しくは「西軍」なのだと。
この辺り錦の御旗の争奪戦というか、キーワードは「玉」なのである。