さんさ時雨。
 
 
 
■ 婚礼の時に歌われる祝儀歌なのだが、一気に「濡れかかる」という表現に流れるところが凄い。というか名作である。
 その単語が、含みというか色気のあるものだと一般に認知されたのは、江戸時代の初期からという説もあるけれども、そんなことは末節かもしれない。
 何処の土地でも、民謡にはそういった要素が含まれていることが多く、上方でいえば恋唄の系譜になるのだろう。
「お座敷さんさ」と呼ばれるものもあるが、そちらは正調と呼ばれていた。