草競馬流浪記 2.
 
 
 
■ 巻末に必勝法のようなものが書いてあった。
 まずは馬券を買わないこと。と、されている。
 この諧謔が分かるには、随分とモトデをかけなければならず、何をしにいくかと言えば、負けるために出かけるのである。
 
 
 
■ 川崎の界隈に、いわく言いがたい風情の競馬場がある。
 山口さんの「草競馬流浪記」にもそこは描かれているが、数年前も似たり寄ったりの空気だった。すぐ前が確か工場。
 私は何をしにいったのか。
 なんということもなく、途方に暮れていたのである。