それは覚悟の前である。
 
 
 
■ かぶき者という言葉がある。
 由井正雪の乱が終わった頃、江戸幕府はかぶき者の取締りを行った。
 かぶく、というのは傾くという意味があって、要はおもしろい格好をして体制に反抗してみせたりする中下級武士やそれに倣う町人の姿を包括する。
 このあたり、調べていくととても面白いものも透けてくるのだが、緑坂でもあるし、仔細は省く。
 
 
 
■ 男伊達という言葉はそこら辺から生まれた。
 ひところ、男前という言い方が一部で流行ったこともあって、男装の麗人が歳くったような方にぼそりと言うと喜ばれる。