南本牧の角。
 
 
 
■ の辺りで雨になった。
 洗ってもらったばかりだというのに、人生とはこんなものだが、車体の上を水滴が流れるのも、少しばかり自意識をくすぐる。
 すこし古い車はできれば綺麗な状態で保っておきたい。
 と最近私は思うようになった。
 かつてのように、半年も放ったらかしで、小学生に指で悪戯書きをされるようなことはまずない。確か鯨の絵だったが、描いたのは男の子か、結構うまいものだった。
 
 
 
■ 空冷の930や964。もちろんナローのそれでもいいが、この辺りが綺麗に乗っているとああ、いいなと思う。
 メルセデスのW126や124の初期型でも、金をかけるべきところにかけ、ゆるゆると走っているのは、半分は趣味の世界で私は好きである。
 趣味なんて、と言われるのかもしれないが、実用性ということから言えば1.3リッターの小型車でほとんどは足りる。
 まれにナンバープレート辺りの照明を真っ白なLEDに変えているものもみかけるが、そこまでいくと別物で、ナンバーを眺めると足立だった。
 川崎と横浜、または横須賀が違うように、東京とはいっても場所によって車体の落ち方とタイアの銘柄が違っているのだった。