357号のブルース。
 
 
 
■ 薄い頭痛がする。
 小雨の中をすこし歩いたのだ。
 首都圏で車に乗っている方ならお分かりだろう。軽く流すというと、どうしても国道357、通称「東京湾岸道路」の辺りをうろうろすることになる。
 千葉の辺りから、遠くは横須賀方面まで。途中、首都高速に乗ったり降りたり、あるいはあの店でパサついたハンバーガーを頬張ったり、脇道に抜けて古くからある洋食屋に入ったりする。
 
 
 
■ 暫く東京を離れると、全体に身体が馴染むまでに時間がかかるものである。
 復帰の仕方は人それぞれだろうが、私の場合には無駄にひとつふたつ走ることと、無駄に酒場でぼんやりすることがそれに該たる。
 酒場は先日、いつものところで漠然としていた。
 最近、コヒバが好きになって、そればかりを頼んでいる。
 珍しくネクタイをしていた。