マンハッタンの130 3.
 
 
 
■ 湾岸のパーキングに入る。
 長いコンテナの影に、34のGT-Rが停まっていた。
 その暫く先にS130のZがいて、アイドルをしている。
 色はボンネットが銀の、マンハッタンカラーである。
 
 
 
■ こういう情景は嫌いじゃない。
 彼らは獲物を待っているのである。
 獲物というのは絶対的な速さではなく、そのカテゴリー内での優劣である。
 LならLで。
 26ならまたその世界で。
 あのRは多分500馬力はあったかも知れない。Lメカチューンの倍だ。
 男が独り座っている。
 仕上げるに、そうね、結婚式二回分くらいはかかっていたかも知れない。