マンハッタンの130.
 
 
 
■ 風の強い夜である。
 2時の方向に半分の月があった。
 スタッフを近場で降ろし、ふらりと首都高に昇る。
 薄紫の看板の辺りで30程に落とし、10メートル過ぎた辺りから床まで踏む。
 このところ、廻していなかったのである。
 
 
 
■ なんともいえずC1を一周する。
 北の丸トンネル辺りで古いホンダに抜かれた。
 とてもかなう訳はない。初期型のCR-Xである。
 後ろがアルファのように切り落とされたテンロク。
 今時分走っているのだからテクノ世代だろうか。ブッシュを固め、フロントにスタビも入っているに違いない。
 考えてみれば週末である。
 練馬や足立や習志野辺りから、青春後期や中年前期を車に賭けた缶コーヒーが集まる。
 馬鹿だよな。
 バカなんだけどさ。