すこし湿った空 2.
■ ならばオタクなAMGなどにしなければいいのに、レンズ買えるでしょう。
というのが真っ当な世間の声というものだが、新型でないところで勘弁していただきたい。と、誰にともなく言う。
91年頃のCG(カーグラフィック)を捜して読んでいると、そこにE500というメルセデスのインプレッションが載っていた。
書かれているのは、熊倉さんである。
確かこの方は95年位にCGの編集長を辞め、フリーになられた。
最近は銀座方面にある情報産業の雑誌などにも、とんでもない格好をされて出ておられるが、私はなんとなくこの人のファンであった。
スノッブになり切れないところがいい。
■ 何時だったか、ホンダ・シティターボ2の記事の中で、これで女子大生のアパートに乗り付けることを夢見る、などと書かれていたこともあって、80年代でしたかねえ。
アルピーヌのA110 についても、フランス映画の薀蓄を噛ませたりして、つまりは何処か夢見がちなお人柄を忍ばせていた。
もっと若いときには、単車に凝っていて、バイアルスの125で走ったりもしている。
それにしても、マスコミ関係者に一時トライアルのブームがあったりして、こんどは200のそれで階段を昇り降りしている30男も友人にいた。
■ ハンドルがアップであれば、階段くらいは登れる。
カブの90でもウィリーはできるので、私は斜めに見ていたが、つまりそれはその後のアウトドア・ブームに繋がる嘘臭さを感じていたからかもしれない。
単に車の他に新車のバイク、トライアル車を買えなかったからという説もあるのだが、男の嫉妬は屈折しているのである。