すこし湿った空。
 
 
 
■ 朝から動いていたら、午後になって電池が切れた。
 靴下を履かなかったからかもしれない。
 ランチを食べようとしたら、普段のメニューしかなく、世間はお盆の後半である。
 
 
 
■ 少し広いところで、雲を見ていた。
 低いところにあって、忙しく流れ、これを200ミリのズームで撮ったら私が普段使うデジタル一眼だと1.4倍くらいになるのだったかしら、と思った。
 ずっとデジタルを否定していた知人のカメラマンが、何時だったか新式のそれを持っていて、おいおいと思ったこともある。二時間酒場で、アナログ万歳を聞いていたからだった。こんどはPCの方が大変だろう。
 2000年になろうとする頃合、私はカラーマネジメントの世界に首を突っ込んでいた。
 いわゆるICCプロファイルなどによる色管理の技術である。
 そんなことを思い出して、いずれ技術は平坦化されてゆく。
 便利になったと思う部分もあるが、では面白くなったかというとそうでもない。
 
 
 
■ マニュアルフォーカスのキャノンを一式、学生に貸してしまったので、リズミカルに巻き上げながら街をスナップするということができなくなった。
 広角の28ミリ程度で絞ったまま、被写体深度を利用して撮る。
 つまり、置きピンにしておくという手法である。
「甘く苦い島」などの1/3はそれで撮っている。時にはファインダーを覗かないこともあった。
 これをライカでやりたいと思っているのだが、28mm エルマリートなどは今すぐに手が出ない。程度の良いものは結構気合の必要な価格なのだ。