実務について 3.
 
 
 
 
■ 文章は、PCの上ではエディタで書く訳だが、つまりそれは横書きの原稿用紙にも似ていて、例えばキーボードはかつての万年筆に変わるものかも知れない。
 自分だけの原稿用紙を作るモノカキがいたが、今はそれぞれエディタであったり日本語変換ソフト、更にはマウスなどを含めた入力装置にこだわりを見せたりもする。
 
 
 
■ なんにせよ、48手の半分でもこなしてみないと、基本の良さというものが分かりづらい。
 私はここ10年近く、数字を入力するところが右端についていないキーボードを使っている。
 それは机の廻りにあれこれと資料を置くことが多いからだと気がついた。
 横を見ると、桜材の机が別にあって、そこにも余白がない。
 灰皿と煙草。吸いかけの葉巻とライターが四つ。記録メディアが積んであって、ウィスキーの瓶の横には、濡れたおしぼりというか、とあるホテルから盗んできたタオルが置いてある。
 掃除をするつもりでいるらしい。
 埋もれたところに、マウスとキーボードがあって、今これを書くのに使っている訳ではない液晶のディスプレイのひとつは、どういう訳か絨毯の上で空を見上げていた。