東京の印象。
■ 雪はとりあえず一日で過ぎた。
私の今いるところは、大きな庭に面しているので雪が降り落ちるのをカーテンを開け、暫く漠然と眺めていた。
新雪は桜の開花にも似ている。
けれども一方で、三メートルを超す積雪の中でじっとしていなければならない人たちもいて、受け取り方は存在に依拠する。
近くにあるホテルの窓には、雪を眺めようとする家族連れや同伴の人たちもいて、彼らは何時までもカーテンを閉めなかった。
チャリチャリ、と坂道を、金属のチェーンをつけたトラックが昇ってゆく音もする。