そこにいるだけのあいだ。
■ ご存知、「甘く苦い島」のコピーである。
原型は、NYのブロードウェイ近くの交差点、急ぎ足で通勤してくるニューヨーカーを壁にへばりついて撮影したものである。
面倒なので直接のリンクは貼らない。上部にある「甘く苦い島」take.1 41枚 をクリックするとその中にある。
■ 撮影時、私はリコーのコンパクトカメラを使った。マニアなら分かるだろう。GRレンズの付いたそれである。絞り優先。若干の露出補正をかけることもあるが、ほとんどカメラの露出のままでいける。
後にライカのM6が手に入り、28ミリということでこのレンズを捜した。
ライカ用のマウントである。元々はそのために作られたからである。
新橋や銀座の中古カメラ屋でも、なかなか置いておらず、なんということだろうか、スーパー・アンギュロンなどよりも場合によっては高価であると言われた。
となると、GRを複数台持っていた方が何かと実用的なのであるが、カメラの世界はそういうものでもなく、暫く悩んだ覚えがある。
■ ガッコの頃の大先輩に、当時このレンズを作った辺りにおられた方がいて、何時だったか写真を見ていただいた。
読売新聞での仕事「列島いにしえ探訪」である。
「北澤、これをリコーにもってゆけ。これはいい。風を感じる」
とか言われたのであるが、うーん、そういうのってなあ、とか思いながら今日に至っている。
奈良原さんや、そうそうたる方々が作例を載せておられたからということもあるが、恐らくは私の個人的資質なのだろう。
どうもね、そういう商売は苦手である。
「いにしえ探訪」の当該作品はニコンの24ミリで撮影している。
大先輩は海外でゴルフをされたりして壮健なのであるが、会合で顔を会わせると最近は撮っているのかとハッパをかけられる。
はあ、お注ぎします。
などと日本酒を注いだりして、男の世界も線路は続くよどこまでも。
ローレンローレン、ローハイド。