手を伸ばしたら湿っていた闇 3.
 
 
 
 
■ 闇には匂いのようなものがあって、あるときそれをごまかすためにお香を焚いてみたりする。
 香の道は、聞くというらしいのだが、なに耳で分かるわけでもない。
 感覚を曖昧にすることで分かってくる世界がある、という前提で成り立っている。