12月の花束。
 
 
 
■ 薄い雨の日、軽く磨いてもらったばかりの車で走った。
 ばかり、と言ってももう二週間は過ぎている。
 硬いオイルは暖まらず、デフの辺りも少しばかりいやいやをしている。
 夏の頃、エンジンのパッキンを替えてやったので今は滲む程度。これ以上を求めるなら下までバラさないとならない。
 それにしても煩い車だな、いちいち吠えなくてもいいじゃないか。
 と、思いながら、少し痺れる足で重いアクセルペダルを踏みすぎないよう、爪先に注意を向けようと心掛けていた。
 

 
■ 久しぶりに乗るとほとんどクラシックの匂いがする。
 ハンドルは重く、ブレーキは実はオイルによって大分感触が異なり、HDDのナビは勝手にストーンズを選んでしまう。
 足回りのリンクを替え、できればサスもOHしてやれば少しは当たりも柔らかくなるのだろうが、手を入れ始めればキリがない。
 人生、他にやることがあるんじゃないですか。
 そのとおりだと私もおもう。
 
 
 
■ ドーナッツとコーヒーを買い、そのまま首都高に乗った。
 橋の上で二度ほど後輪が空転する。それでも抜いていく速い車があって、現役にはもうかなわない。
 そのまま港の方まで行きたかったが、近場にあるPAでドーナッツを食べた。