Bohemia After Dark 4.
■ こんなことをやっている場合ではないのだが、車のヒューズを替えた。
一部ではなく全部である。
前にも一回やったのだが、あれから何年も経っているし、別の小型車たちのこともあるからとまとめて注文したのである。ボッシュもいいが、ここは安定の国産品を選んでいる。注文に数日、交換に五分。
■ エンジンをかけてスロープを昇ると、電気に雑味がなくなったような気がする。
いわゆるツキがいいという奴だが、実際は微々たる違いでしかない。
プラグを替えても、デフのオイルを替えても、あるいはバッテリーそのものを交換しても、その違いに気付くことも見逃すこともあるだろう。
半ばどうでもいいような些事の積み重ねなのだが、そんなもんです。
■ パーカーのポケットに入れた古いヒューズがじゃらじゃらする。
ひとつを取り出して明るいところで眺めたが、銀というより灰白色で、表面が酸化しているのかと思われた。接点のところだけ、抉れたように傷になっている。
これが時間というものか。
ビニールの袋にまとめて入れ、指定されたところへ持っていく。