佇まいについて。
 
 
 
■ 小型車を入れることになって、しばらく物色していた。
 訳ありである。
 普段乗るものではないので幾分かは趣味の要素も強いのだが、かといってサンクやローバーのミニにまでいってしまうと厄介で、今乗っている旧い車に手が回らなくなる。
 ほどほどというか、適宜な按配に抑えた。それでもやや旧い。
 冷静に考えると、同じ予算でもっと新しいのを選んだ方がよさそうである。
 

 
■ エンジンと変速機のオイル。水。
 ベルト、フィルター類全部。もちろんバッテリー。イリジウムのプラグ。ゴム類。リッドのダンパー。低ダストのブレーキパッド、センサー、フールド。
 タイヤ四本。やや明るいヘッドライトに黄色いフォグ。ボディのガラス・コーティングと新しいエンブレム。
 これらを全部とっかえてやると結構な金額になってしまう。
 バカじゃナイダロウカと五分に一回は思いながら、いや最も優先するのは雨の時のグリップであるなとやや高いタイヤを選んだ。
 距離が伸びないだろうから、燃費は関係ない。ひび割れしにくいものでないとね。
 
 
 
■ 結局ワンオーナーだったり、記録簿だったり。前の車検をどこで受けているか、内容はどうか、使わない時はどこにどう置かれていたのかというある種育ちのようなものがあって、そうした気配というのは、同じ車を何台も眺めることで少しばかりは透けて見えてくるような気になることもある。
 思い上がりかもしれないのだが。