ぬるいギネス 2.
■ 隠れ家のような酒場という言い方があるが、本当に隠れ家ならばそこは成り立たない。
暗がりで加熱式タバコの青く光るLEDを眺めているのも今風だけれども、まぁそんなものかなという気はして、私はあまり冷えていないギネスが好きである。
流通によって微妙に濃さが違うような気もするのだが、煮詰める訳にもいかず黙って嘗めていた。
「どくろ杯」の途中からを数頁めくってみる。
■ 金子さんの三部作の中では、私はこれが一番好きである。
詩そのものは、格別ソラで言えるということもなく、全集を眺めてみようという気もしないのだが、折に触れ手にとってはぱらぱらと眺めている。
若い時の顔写真を見たことがあって、成程なとおかしな納得をした記憶があった。