海で見る月。
 
 
 
■ 友人に中元というかなんというかを送った。
 世話になっているからである。
 礼のメールが来て、月蝕を眺めに真夜中の海岸に行っていたという。
 夜明けまでそこにいたんだ。
 この角度からは灯台も見えるんだぜ。
 

 
■ 私は返信はしなかった。
 馬鹿だなぁ、変わらないな。
 誰と一緒だったのか、独りだったのか、そんなことは知らないが、随分と昔に娘の手を引いて砂浜を歩いたという話は聞いたことがある。
 小雨の時もいいよな。
 あの駐車場だろうかと、私はすこし離れた土地のことを思った。