六月の頃。
■ するすると時間が過ぎた。
蝉が鳴いている。
俗世というか、昼間の厄介のことをここに書くのはどうも趣味じゃないようで、省くことが多い。
それでいいのだと思っている。
■ 東京を何度か離れ、漠然とし、旧い車がレッカーで二度移動した。
おかしいなと思っていたら、ある夜、セカンド以上に上がらなくなったのである。ATオイルは3万キロ毎に換えていたので、恐らくは基盤である。全てのOHを勧められたのだが、過剰整備になるかと、基盤交換とバルブボディの清浄で済ませた。思ったよりも高額で、なるほどなというところである。
■ レッカーに同乗して整備工場まで進むとき、ドライバーの人の前職を聞いた。建築の現場で調整する役だったのだが、それに疲れ、こちらにきて数年。胸にぶら下げている記録用カメラは定番のそれである。
解像度は申し分ないが、専用ソフトが使いにくいという話をして、ふむふむイヤハヤと旧い車は運ばれていったのである。