Prelude In E Minor.
 
 
 
■ 飛ばしもせず、なるべくブレーキを使わず、定番のコースに流れた。
 今日はトラックが多い。
 空気には重さがあって、数日後に雨がくるだろう。
 

 
■ 空冷の930ポルシェがゆっくり走っていた。
 挙動が落ち着かず、多分ショックかタイヤがそういうことになっているのだと思われた。
 そんなことはいいじゃないか。
 この時間に、単独で走っている男はおおむね馬鹿である。
 付き合う妙齢はほぼいない。
 930は鈍い橙のウィンカーを点け、湾岸千葉の方へ曲がる。
 私は銀のトレーラーを刺激しないように抜いて右へ入り、いつもPCが停まってる退避場をちらりと眺めてから加速した。