Anything Goes.
 
 
 
■ カメラを手に入れたのだが、そのままにしてある。
 普段の撮影には使わないから、ということもなく、今はそういったモードではないからだと思っている。
「1958 MILES」というアルバムがあって、確かあれもモード奏法だった。
 LPで求め、磨り減った針で聴いていた。
 

 
■ 当時の私くらいの年齢の若者が32のGTRから降りてきた。
 髪はやや長く、猫背で、正直言えばぱっとしない。32のトランクは塗装が剥げ、普通に保管していればこうなるだろうというところである。
 彼らは男ふたり。こんなところに何をしに来ているのか。当分女との縁はなさそうにも見えていた。
 男の世界というのはおかしなもので、気配のようなものがある。
 出たガッコをいつまでも覚えている立姿もあれば、略した綿パンもあって、その辺りは不思議なところだった。
 
 
 
■ 若者はちらりとこちらを見る。
 私も、横目で眺めていた。
 いろいろあるけど、匍匐前進。
 女はその次さ。