袋入りの酒について。
 
 
 
■ 紙が膨大に出る。
 シュレッダーをかける場合もあるし、そうでないこともある。
 もう少しいけるだろうと連続していると、シュレッダーから取り出すときに散らばって、のそのそ掃除機を捜しにいくことになるのが常だった。
 人生とはそんなものである。
 

 
■ 棚からギザギザの茶色の紙で包まれた酒が出てきた。
 多分、デュワーズの一番安い奴だと思う。酒屋というかスーパーで、割れないように包んでくれたものだろう。
 どうして乱雑に積み重なった本の隙間にあるのか不思議だが、たまには飲めということだろうとデスクの傍に持ってきた。
 グラスを捜す。
 
 
 
■ 個人的な趣味だが、普段飲む酒はどこででも手に入るものがいいと思っている。煙草なども同じである。
 ここでしか飲めないというものも、出されれば有難がって甞めるのだけれども、毎月空輸するわけにもいかないでしょうという按配。
 周囲の友人を眺めても、だいたいその傾向にあるようで、自宅では角を飲んでいるという奴も数人いた。
 いやあれよりこっちだろう、と口を挟む奴も必ずいる。