口笛のきこえる波止場 5.
 
 
 
■ 964は波止場に似合う。
 あるいは、本牧から横須賀へ続く国道か側道の、看板の文字がひとつ落ちたマーケットの前である。
 私ならそこで地場の魚を選ぶかもしれない。乾いてもいるのだが。
 

 
■ カブリオレなら半分幌は曇っている。
 雨が降れば少しは湿る。
 ウェスや養生テープは継ぎ足し用のオイル缶と同様に不可欠で、すぐに枯れてしまう鉢植えの小さな花を助手席に置き、できるだけ海の近くに戻るのである。