六月異動 2.
 
 
 
■ ネットは、半分くらい見世物小屋に似てきている。
 極端な言説を弄したり、どこかいびつだったり、人生のかなりの部分を賭けて踊り続ける一連のタレントさんたちがいる。
 別のものになりたいのだ。
 たいへんだなと思う反面、何時の時代もそんなものだったという声もあって、なにものかの極端な戯画のように見えることもあった。
 

 
■ せんだって年下の知人から連絡がきた。
 今いるところを引き払い、転勤するのだという。
 仕事柄、仕方ないよな。
 ええ。こんど車要るかもしれなくて。
 奥さんが運転するのに、どんなものを選べばいいかという質問である。
 心積もりはあるのだろうが、ついでに確認しておこうというところだろう。
 
 
 
■ 私は小型車の車種を告げた。
 新しいものでなくていい。普段の燃費と車によってはタイミング・ベルトの交換費用。一番いいのは軽かもしれない。
 軽ですか。うん。でも案外高いんですよね。そこなんだよな。
 彼には小さな娘が二人いた。