五年過ぎても。
 
 
 
■ 結局、エンパイアステートの写真には違うコピーをつけることにした。
 ダウンタウンから塔のようなビルを見上げている、といったところである。
 ほぼ頭だけが見える。
 とぼとぼと歩く。
 

 
■ 知人の写真家というかプロ・カメラマンが、作品として東京タワーの写真を載せていたことがあった。
 彼は男や女を撮らせると柄にも合わず繊細な色を出してくる。
 時には繊細すぎるんじゃないかと心配になることもあった。
 口と態度が悪いのはテレ隠しで、仕方のないものだけれども、同じく枠の外側にいる者としてはわからなくもない。
 奴はここから撮ったのか。
 家族連れで賑わう都心部の公園のようなところで、消防士が行事の準備をしている。