Code Monkey Save World 2.
 
 
 
■ 情報にかける男たちの層の厚みが、彼我では随分とちがう。
 天下の素浪人を装っていても、事が起き、お呼びがかかれば国のために及ばずながらお手伝いしましょう、みたいな連中がぞろぞろといる。
 もちろん正当な報酬と名誉を要求し、多くの場合支払われていく。
 為田さんはそんな風に書いていた。NY支局での赴任期間、なにごとかの気配を漂わせている男たちを何人もみかけたと。
 70年代後半、当時でもCIAへの批判は強かったが、では完全に解体せよとまで世論は傾むいていかない。
 


 
■ 73年にソウルにいた初老の言語学者、これは多分自称だろうが、その存在はどこか時代がかっていた。
 明治初期、日本に渡ってきた西洋の大使館職員が仔細に各地の見聞録を残していたが、土地や風俗を知ることは広義のスパイ活動の一環である。そのままこちらに住み着いてしまった男たちもいた。
 そうしたことを大真面目にやっているところが伝統というか狩猟民族の特質だと司馬遼太郎さんはかつて語っていたが、伝統的に遊牧の民は、正確な情報の収集に生命を賭けていたのである。集団の死活問題だったからだろう。
 
 
 
■ ここで現代の情報戦みたいなことを語るには、その資料も時間も乏しい。
 ただ、今使われているIT関連の技術の多くはほぼ軍事の民生化であって、最近は軍専用のプログラム言語から一般的なそれへの移行が始まっているとも聞いた。双方向・シームレスになってきている訳である。
 クラウドが多用され、あらゆるものが端末化されていく。
 流行の Big data などもである。
 それを統括するものは何か、そして何処かという問題も浮上してくる。