リベラルな家めし。
 
 
 
■ 美空ひばりさんの映画に、伴淳三郎さんが出てきた。
 どういう役柄かは忘れたが、恐らくはあちらの方を演じられていた。
 ナガサキプギョー、ハラキリサムラーイ
 こちら、オッキイアナポーコ
 


 
■ あちら、チッチャイアナポーコ
 などと言いながら伴さんはフラフラしていたのだが、二日酔いで這いつくばっているような気配の時、ついつい思い出す。
 まだ十代だったひばりさんは、意味が分かっているのか分かっていないのか、呆れたような顔をしてそれを眺めている。
 まあお下劣、およしになって。
 それを言うのは殿山泰司さんである。
 
 
 
■ しかしまあなんだね。
 意識の高いライフスタイルってのは、くたびれないものなんかね。
 と、娘を私立に通わせていた悪友に聞いてみたのだが、そりゃおまえ、部屋暗くしてキャンドルつけて、揃って今日は記念日とか言われたら、かなりくるものがあるよ、と言っていた。
 揃ってか。
 揃ってだ。
 怖いものがあるな、それで薄くなったんだな。
 誰かが混ぜっ返す。